櫨文化協会とは
櫨を守り育み、心にあかりを灯す
毎年秋、鮮やかな紅葉をする櫨(はぜ)は、その実が和ろうそくや鬢付けの原料になることから、江戸時代より九州・西日本の各藩で盛んに奨励栽培されました。
しかし明治時代は9万トンあった櫨の実の生産量も現在では100トン足らず。櫨並木や櫨畑は数えるほどしかなく、各地の櫨の木は激減しています。
櫨は日本でしか栽培されていないため、櫨がなくなることは日本独自の文化のあかりの一つが消えることに他なりません。
櫨を守り育てることは人々の心を灯し、ほのかに照らし続けることでもあります。
このような状況から、私たちは日本各地にある櫨の生産活動の持続的な発展を促し、広葉樹である櫨を生かした地域の環境保全及び、伝統文化の継承に寄与するために、櫨を守り育む活動を行っています。
櫨文化協会 会長 矢野 眞由美
会長 矢野 眞由美
人々の心にあかりを灯す櫨の力を信じています。
櫨とも和ろうそくとも全く縁のない家庭に育つ。国家公務員・タウン情報紙編集長を経て、平成19年、故郷である久留米市田主丸町の植木苗木業が盛んな理由として櫨にルーツがあったことを知る。同時に櫨の木が激減している現状をなんとかしたいと、同年、「松山櫨復活委員会」を設立。伝説の櫨の品種「松山櫨」の復活と共に、衰退している櫨産業の復興を目指し、櫨を生かした商品開発や、体験やイベントを開催しながら、次第に櫨が人々の心にあかりを灯すような役割を果たせることを実感する。
平成27年、自身の活動を綴った「櫨の道」を出版した。
10年目となる今年、櫨を次世代に伝えていくために、広域的な連携をしながら櫨の栽培・歴史・文化面からのアプローチを行う「櫨文化協会」を設立。
副会長 花柳 寿寛福
日本文化を担う櫨の魅力を。
日本舞踊家の家に生まれ、数多くの創作公演活動に携わる。平成17年より瑠璃光寺での「和蝋燭の世界」公演を父・花柳寿寛と共に開始。スペインでもハビエル・バシリカ(サビエル教会)公演を奉納。
現在、山口県立大学非常勤講師としても和ろうそくと櫨の魅力を伝えている。
事務局長 深町 哲哉
伝統産業と人々の灯りのために。
大学卒業後、IT関連企業に就職。アメリカ・LAでの会社設立に携わる。故郷・久留米に戻った後、平成27年より障害者就労継続支援施設の指導員に。翌年、五感ものづくり工房を開設し、和ろうそくの芯作りなど櫨に関わる伝統産業をサポートしている。